古河 佐野 宇都宮

フットケアについて

  • 1.日常の観察(セルフチェック・自宅時の確認)

    定期観察の前段階として、日々の着替えや入浴時に以下の点を確認します。

    • 皮膚の状態: 新たな傷、色の変化(赤み・暗色)、乾燥、ひび割れ
    • 付着物・変形: 胼胝(タコ)、ウオノメ、爪の異常(巻き爪・肥厚)
    • 感覚・症状: 足の冷え、痺れ、歩行時の痛み
  • 2.定期観察(月1回のスクリーニング)

    月に1回、チェック表を用いて全患者様の状態を詳細に確認します。

    • 触診: 足の甲(足背動脈)やくるぶし付近(後脛骨動脈)の脈が触れるか確認
    • 視診: 皮膚、爪の日常観察項目に加え、指間のふやけや白癬(水虫)の有無を確認
  • 3.客観的評価(数値による血流評価)

    • ABI(足首と上腕の血圧比): 動脈硬化の亢進や血流低下を数値で把握します。
    • SPP(皮膚潅流圧): 毛細血管レベルの血流を測定し、傷の治りやすさや重症度をより詳しく評価します。

異常を早期に発見した際や、ハイリスクな患者様には専門的な介入を行います

  • フットケア指導士、看護師との連携

    • 自分たちで処置が困難な厚い爪やタコのケアを依頼
    • 患者様1人ひとりに合わせた「正しい靴の選び方」や「保湿方法」の指導を仰ぐ
  • 多職種での情報共有

    • 医師、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、看護助手が連携し、歩行状態や血流データに基づいた適切なケア方針を決定します。
  • 軽微な症状がある場合

    • 状態: 乾燥、爪の伸び、軽度の汚れなど
    • 対処法: 爪切り、足浴、保湿などの日常的なケアを継続し、清潔を保つ。
  • 明らかな症状がある場合

    • 状態: 皮膚の剥離、創傷(傷)、炎症による強い痛みがある。
    • 対処法: セルフケアを中止し、速やかに医師の診察を依頼して適切な医療処置を受ける。
  • 高度な異常や専門性が必要な場合

    • 状態: 血流障害の疑いや、専門的な検査が必要な重度の病変など
    • 対処法: 近隣の専門病院(血管外科など)と連携し、精密検査や専門治療を開始する。 脈が触れない、創傷(傷)がある、強い痛みがある場合は、速やかに医師の診察を依頼します。
  • 1. 創傷処置(デブリードマンとドレッシング材)

    • デブリードマン(壊死組織の除去): 治癒を遅らせる「死んだ組織」や「異物」を取り除く処置。
    • ドレッシング材の選択: 軟膏だけでなく、浸出液(傷口からの液)の量や性状に応じて、傷口を適切な環境に保つための被覆材の選定。
  • 2.創傷ノートの具体化(アセスメントの標準化)

    共有をよりスムーズにするために、記録する項目を具体化する。

    • DESIGN-R®などの指標: 深さ(D)、滲出液(E)、大きさ(S)、炎症/感染(I)、肉芽形成(G)、壊死組織(N)などを数値化して記録。
    • 写真記録: サイズが分かるよう、メジャーを添えて定点撮影するルールの徹底。
  • 3.除圧(オフローディング)の徹底

    足の傷(潰瘍やタコ)の場合、薬や処置と同じくらい「荷重をかけないこと」が重要。

    • 免荷(めんか): 治療用装具(サンダルや靴型装具)の使用や、フェルトを用いた部分的な除圧など物理的な免荷を減らすアプローチの追加。

「毎日の実施」足のセルフケア・チェックリスト

項目 内容のポイント 確認
足の観察 傷・痛み・腫れ・皮剝け・水ぶくれはないか?
清潔保持 指の間まで優しく洗い、水分をしっかり拭き取ったか?
保湿ケア 乾燥しやすい踵などに保湿剤を塗ったか?(指の間は避ける)
靴の点検 靴の中に石やゴミが入ってないか?
靴下の確認 締め付けすぎていないか?穴や破れはないか?

「週に1回/適宜」 環境・爪のチェック

項目 内容のポイント 確認
爪の状態 伸びすぎていないか?変色や食い込みはないか?
靴の摩耗 底が極端に減っていないか?型崩れしていないか?

傷がふさがった(上皮化した)後の再発率は非常に高いため、この時期のケアが最も重要です。

  • 1.免荷(除圧)の継続と定着

    傷が治っても、その部位は組織が弱くなっているため、治療中に使っていた装具や足に合った治療用靴(インソール)の着用を習慣化し、特定の場所に圧力が集中するのを防ぎます。

  • 2.セルフケアの習慣化

    毎日、鏡を使って足の裏まで観察し、「赤み」「腫れ」「たこ(胼胝)」「傷」がないかを確認する。異常を早期発見できれば、重症化を未然に防げます。

  • 3.生活習慣のコントロール

    糖尿病などの基礎疾患がある場合、血糖値の安定や禁煙、適切な栄養摂取を維持し、血管や皮膚の状態を良好に保ちます。